ラムズヘッド修理

今回は修理の記事です。

ラムズヘッド期のビッグマフを二台お預かりしました。
実は別々のお客様からのご依頼で、たまたまラムズヘッドが二台被りました(笑)

左が76年製、右が75年製です。

まず76年製ですが、音が正常に出ないとのことだったので、信号経路を追っていくとボリュームポット手前の電解コンデンサが壊れていました。
また、前の持ち主が修理を試みたのか、ポットのハンダをやり直した跡があり、その際に基板パターンが剥がれてしまっていたので修正を行いました。
この個体は珍しい2N5087を使ったポジティブグランド仕様のラムズでした。

次に右の75年製。
こちらは故障していたわけではありませんが、前のオーナーにより配線を交換されており、作業が雑だったのでヴィンテージ配線を使ってやりなおしました。
また、少しでもノイズを減らしたいとのことだったので、ポットのハンダのやり直しなど、ハンダづけの雑な個所を修正しました。
お客様が、このマフはRATっぽい音がすると仰っていたのですが、確かに76年製と比較するとドンシャリ気味な音でした。
基板裏側に抵抗を追加してバイアスをずらしてあったので、外してみると76年製とほぼ同じ音になりました。おそらく後からつけられたものでしょう。
とりあえず抵抗はつけ直して、ハンダごてを使えるお客様なので、本来の音を出したければご自分で外して下さいとお伝えしました。

マフ好きとしては、ラムズヘッドを二台並べて弾けて楽しかったです。
弊社でもマフ系のBedramを販売しておりますが、Bedramは73年前期のラムズヘッドを基にしているため、今回お預かりした二台とはサウンドが違います。
どの年代でもマフは素晴らしいなぁ。