マフは沼?

みなさんマフはお好きですか?

マフとはエレクトロハーモニクス社のディストーションペダルであるビッグマフのことですが、特有の癖のあるサウンドから非常に人気があり、他社からもマフ系の派生ペダルが多数作られています。弊社のBedramもその内の一つです。

歴史の長いペダルで様々なバージョンがある為、様々な年代のマフを集める愛好家も多く、SNSでも話題になりやすいペダルですね。
そんなマフの話題でたまに見かけるのが「マフは沼」という言葉です。

本家エレクトロハーモニクス社からも数種類のマフが発売していますし、マフ系ペダルも含めると数えることができません。
ヴィンテージになると個体差や経年変化もあり、自分の好みのマフを探すとなると確かに沼と言える部分はあります。
しかし沼と言われる所以の大部分は回路への知識不足から来ているのではないかと思うのです。

エレクトロハーモニクス社のマフは発売以降からのバージョンを大別してトライアングル、ラムズヘッド、ロシアン、現行との4種類あり、そこまではご存知の方も多いと思います。
ではラムズヘッドだけで少なくとも10種類は回路のバージョンがあると言ったらどうでしょうか。そんなに種類があるのにラムズヘッドと一括りに語られたら混乱してしまいますね。
マフの回路にはサウンドを決定づけるポイントがいくつかあり、同じラムズヘッドの中にもそれらのポイントが異なる、つまりサウンドが全く異なるバージョンが混在しているのです。
例えばラムズヘッドは73年製と75年製では歪む帯域を決めるパーツの定数が異なり、サウンドが大きく異なります。
ではそこでエレクトロハーモニクス社のナノラムズヘッド(73年後期のリイシュー)を弾いた人が「自分の(75年製の)ラムズヘッドとは音が違う。ヴィンテージのサウンドではない」と言ってしまったら、回路の知識が無い方は「なんだラムズヘッドの音は出ないのか」なんて思ってしまうかもしれませんね。実際は全く違う二者を比較してしまっているので、ヴィンテージのサウンドかどうか以前の違いがあります。

上記のような誤解に基づいた情報が少なくない量SNS等で出回ってしまっています。
そんな中で情報収集をしてしまうと「マフは沼」ということになってしまうかもしれません。しかしその沼はきちんと回路の知識をつけるとだんだん澄んでくるはずです。

そこで画像のやたらとコントロールのついたマフを用意しました。

マフの回路は大きく分けると4つの増幅ステージとトーンフィルターによって構成されています。各ステージをそれぞれ調整することで回路のどこが変わると音がどう変わるのかを実際に音を出しながら体験できるようにしています。

特に2番目と3番目の増幅ステージでダイオードによるクリッピングで音を歪ませており、ダイオードに繋がっているコンデンサによって歪ませる帯域を変えている為、ダイオードの種類やコンデンサの定数の変更は触ってみると驚くほどサウンドの違いを感じられるかと思います。
その他、各ステージのゲインの調整やハイカットフィルターの切替等もできるようにしているので、お好きな仕様を見つけるのも楽しいかもしれません。

こちらのマフは詳細な説明書と共に学習用の貸し出し機となっておりますので、触ってみたい方は送料をご負担いただければ一週間前後お貸しできますので、お気軽にお問合せ下さい。